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どうも、デザイナーの西原です。
先日、6月21日は世界的に有名なキャラクターである「ミッフィー」のお誕生日でした。
今日はミッフィーの生みの親であり、私が敬愛するデザイナーでもあるディック・ブルーナ氏と、その魅力についてご紹介します。
「ミッフィーの誕生日が来たらこの記事を投稿しよう!」と思い続けておりました。
何故かと言うと、ディック・ブルーナ氏は絵本作家だと思われがちなのですが、私と同じ職業であるグラフィックデザイナーでもあるからです。
ブルーナ氏は1927年にオランダのユトレヒトに生まれ、24歳頃からグラフィックデザイナーとして書籍の装丁デザイン(簡単に言うと表紙のデザインなどです)を行い、ミステリー小説を中心に年間100冊もの仕事をこなされておりました。これはとんでもないスピード感です。
ただスピードだけではありません。これまでにあった書籍のタイトルがわかれば良いという概念を覆す、見るものの目を惹きつけるシンプルかつ斬新なデザインスタイルを貫き通しました。これは色彩やシンプルな造形で構成されるミッフィーにも通ずるものですね。
これがまた、たまらなく素敵なデザインなのです。
そして1955年に「nijntje」(ナインチェ)という、うさぎを主人公とした絵本を刊行します。この「nijntje」(ナインチェ)がミッフィーの原型です。日本ではミッフィーという名前で認知されていますが、海外などで知られる正式名称は「ナインチェ・プラウス」と言います。
当時では異端にも見える斬新でモダンなキャラクター表現に「子供には理解できない」と大人達には敬遠されてしまうのですが、そのシンプルさとブルーナ氏の最大の特徴でもある明解な色彩は子供たちの心を掴みます。
ピカソなどの芸術家に影響を受け形成され、このようなスタイルには明確な特徴があります。それが「ブルーナカラー」と呼ばれる独自の色彩スタイルです。赤・青・白・緑・灰色・茶色とたった6色のみを使いミッフィーは描かれています。数多く発刊されているシリーズ絵本に置いてこの色数の少なさは極めて稀です。だからこそ、例え絵が無くとも配色だけでミッフィーらしさを感じるのです。これは現代のブランド・アイデンティティの考えにも通じます。(例えばユニクロと言えば赤と白だよね 等)
ミッフィーはただの「絵本」では無く、特定のルールに基づいた作られた、とてもデザイン思考の強い作品なのです。これはグラフィックデザイナーであるブルーナ氏だからこそ生み出せたものだと感じます。
長い年月をかけていく中で、絵本以外のグッズなどではこうしたルールは徐々に緩くなってしまっているのですが、もし今度ミッフィーの絵本を見かけた時は、そんな視点で見ていただけると嬉しいです。
また、定期的にブルーナ氏の展示会などが開催されていますので私のようないちファンのブログでは伝えきれない魅力が詰まっていますので是非足を運んでみてください。
では、また!